何か吐いてみる//
乙式、主に暇人干身がだらだらと萌えに任せて吐き出す場所です。創作戦国について主に吐き出しています。同人、腐要素、注意報常時発令中です。
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2008/08/02 (Sat) 蝉



 孝蔵主熱がむらむら来てるんですが、妄想だけで終始してしまって、中々形に出来ませ、ん…!
最近、秀次事件の犯人というか何というかは、孝蔵主なんじゃないかなぁ妄想がもりっと。利休亡き後、内々のことは孝蔵主に、とか言われるくらい秀吉の近くに居た人物で秀吉の信頼も厚かっただろうし、動機も色々と妄想しますと…はい← 三成が犯人ってのは、秀次の家臣を多く召し抱えた関係でどうかなぁと思うし、茶々も将来秀頼の嫁になる筈だった秀次の娘の身を案じる書状出してたり、秀次にお金貸してたり、ちょいちょい親交があったりなわけで、まずあり得ないだろうなと。そうなると、発酵した頭で色々妄想した結果、孝蔵主ならどうなのかしらと(… 秀次の謀反とか、殺生関白なあれこれとかは全部孝蔵主の讒言とかだと良いなぁな感じで。いや…良いというか、何というか。ただ本人は、秀次だけを亡きものかもしくは、失脚させられれば良かったんだけど、妻子三十人越え死刑っていうのは予想外で内心狼狽してたら良い← 表面はあくまで、柔和な微笑み全開で。孝蔵主が犯人だっていうの前提な秀次事件絡みでの、孝蔵主と三成の話をいつか書いてみたいです。ええ、いつか(お前) 
 追記に、まったく関係無い、子供時代孝蔵主と海津尼さんこと、鶴千代さんでSSS



 蝉が、死んでる。
 だから、しゃがんでいた足を伸ばした立ち上がった。
 熱に膿んだ頭がくらっとした。

「鶴千代様、本堂の前で蝉が死んでいました。取り敢えず掃き捨ててきます」
「おや、何を言っているのかしらねこの餓鬼は」
「鶴千代様、頭を掴まないで下さい」
 ほっこり、こんなに暑いにも関わらずお湯を飲んでいらした鶴千代様の手が私の法衣を被った頭をぐわしとばかりに掴んでくる。九つになったばりの私の頭は、手の平で掴めなくもない大きさでそれでも、そろそろ身長がもう少し欲しいこの頃だ。今のままじゃ、高いところの掃除が出来ない。
「良いかしら、こほ。貴女は自分が法門にいる身だということを、もう少し自覚なさい。何年この寺にいるんだったかな?」
「四年」
「素早い回答で大変よろしい。四年いるんだったら、自覚と敬語を身に着けやがれ」
「ですが鶴千代様。鶴千代様も昨日、叩き殺した蠅を掃き捨てていたじゃないですか」
「それはそれ、これはこれだ」
「便利な言葉があるものですね」
「あははは、まったくね」
 あまりにも朗らかに笑うものだから、少しくらいむくれ顔にもなる。精一杯の皮肉を言ったつもりだったのに畜生、厚顔尼め。ただ、そうだ、素手で叩き殺した蠅を素手で外に掃き捨てるこの人が、法門だとか何だとか口にするなんて。しかも、死んだ蝉一つで。
 意外だ。
「んー、何かしらその顔は。言いたいことがあるのなら、はっきり言った方が身の為だよ。可愛い可愛いクソ餓鬼が、夜な夜な身長を伸ばそうと木にぶら下がっていることが辺り一帯に広まってしまうからね」
「…………鶴千代様のような便利な大人になりたいと、心底思っただけです」
「おやおや、いーい返事ね」
 痛い、痛い頭痛い!
ぎりぎり締め付けてくる、頭を掴む手を必死に掴み返して私、仕方が無いげろってしまう他頭が割れる窮地を逃れる手段が無いんだ。
「いが……意外だって、思ったんです」
「ほほう、どんな風に?」
 満面柔和な笑みで彩ろうとも、この人がどんなに酷い仕打ちを腹の底で考えているのか私はちゃんと知っているぞ。前なんて、仏前のお饅頭ちょろまかしただけで、三日三晩木に括られたし、鶴千代様だってお饅頭小腹が空いたからなんて言って食べてたくせに。私には一欠片しかくれなかったくせに。ちらと見やった木戸の向こうに広がる僧房の外、殺意すら感じる陽射しが容赦なく降り注ぐ参道に、あの蝉は落ちていた。
 忙しなく鳴き喚く蝉はまだいるのに、一足早く脱落した軟弱蝉だあれは絶対。
「蝉の……」
「蝉の?」
 少しだけ、首を竦めた目を逸らした。
「死んだ蝉をないがしろに扱うなというお言葉が、鶴千代様の口から出てきて意外だっただけです。蠅は素手で叩き殺すくせに」
 そらした目の端で少しだけ、伺ってみたけれど何で、どうして、あんなに首を傾げてるんだあの人は。いかにも、心外だとか予想外だとか言いたげに思いっきり。だって、そう、声が蝉の喚きに混ざった。
「蠅は嫌いだけど、蝉は嫌いじゃないのよね」
 ………ああ。そうか。
 この人は、そういう人だ。
黙っている私に何を思ったのかわからないそもそも、この人の考えていることを分かれと言う方に無理がある。だから私は、まだ黙っていることにした。鶴千代様が口をひらいても息を吸い込んでも、
「蝉の必死な姿が堪らなく、私は好きでね」
 こんなことを言われても、まだ。
眇めた両目がその焦点が、私を越える。向こう、白く白く陽射しの突き刺さる参道へ。
「愚直じゃないか。やっぱり男にしても何にしても、愚直なものは嫌いになれないわよ」
 愚直、鶴千代様にとって、あの煩く鳴き喚くだけの蝉が。愚直。分からない、全然まったく分からない。蝉が愚直だっていうのは、百歩譲ってそうかもしれないってことにしておいても、嫌いになれないなんてそんなこと、あり得ない。愚直っていうのは愚かって文字が入っている即ち、愚かということ、愚かというのはきっとそれそのものが罪だ。私は、愚かな存在を好ましいだとか嫌いになれないだなんて感じたりしない。愚かなものは、大嫌いだ。
 私のむくれっ面がさぞかし酷いものになったんだろうな、鶴千代様が笑うあははと。この人は私は不機嫌になっても機嫌取りなんか絶対にしないいつだって、笑うだけ。楽しそうに、あははははと。
「こほ、世を上手く渡る為に肩入れするなら、賢い男にした方が良い」
「当たり前です」
 愚かな男に肩入れするような、愚かな女に私はならない。絶対、なってやるものか。
「ただし」
 頑なに肩まで怒ってくる私を宥めるためじゃ多分ない、そんなことをこの人はしない、だけれど頭を掴んできてた手がくしゃっと法衣を除けて髪に触れて。五つの時分に尼削ぎして以来、肩より先に伸ばしたことのない髪は、ものの見事に乱された。完膚無きまでに。
「心の底から人生賭けて入れ込むのなら、愚直な男にしなさいよ」
 訳が分からない。誰がそんなこと。
言いたいこと、山と重なるせいで喉につっかえ出てこない出てきたのは、
「……こんな寺で人生送って、そんなことになるとは思えませんけど」
 これだけ。なんて情けない子供なんだろうもっと、鶴千代様のようにぺらぺらどうでも良いことまで吐き出せるようになれたら良いのに。これしか吐きだせなかった私を前に鶴千代様はまた、笑った。
「そりゃそうだ。まぁ、人生何が起きるかわからないじゃない。クソ餓鬼の師匠として、助言くらいくれてやろうと思っただけさ」
「私に師匠なんていません」
「んー、身長が伸びる秘儀を教えてあげないぞー」
「………………………………ちょっとだけ、います」
「よしよし、素直な子には饅頭を一欠片あげようかしら」
 ふくれる私、鶴千代様が手遅れなくらいに髪を掻き乱してくる。
間違いなく、この寺で私は一生を終えるだろう。鶴千代様の言う愚直な男なんてものに出会うことなくこの寺で、ずっと。
 僧坊の外、蝉が、うるさい。




 忙しなく愚直なまでに蝉が鳴き喚くまるで何だか、それしか生き方が無いみたいだああもしかしたら、そうなのかも。それしか、そんな風にしか生きられないんだあいつらは。足元転がる蝉をつまみ上げた。眼前まで掲げてみた。つかんだ羽は、陽射しを透かして少しだけ、綺麗だなんてぽつり頭に浮かんでしまったから。法衣の懐に、きっと蝉の骸があるんだろう。
 一生を過ごす寺の本堂へ向かう私の、懐に。








鶴千代さんの夫である、明政さんの死没年が分からないんであれなんですが、孝蔵主が五つになるより前ということで一つお願いします…。




 
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