何か吐いてみる//
乙式、主に暇人干身がだらだらと萌えに任せて吐き出す場所です。創作戦国について主に吐き出しています。同人、腐要素、注意報常時発令中です。
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2010/01/26 (Tue) 或る兄弟の冬



むらっときたので、追記に大野兄弟(治徳と弥十郎)で妄想SSS崩れを投下してみました。冬の陣真っ最中あたりです。微妙に暗い+短いです。










「そこで大助殿がだな!塀からこう……」
 身ぶり手ぶりも交え語っていたというのに、当の弥十郎は指を唇へあてがいくすりと。私とまったく同じ作りであるはずなのに、冷たいと評されがちな私とは違う、温かく柔らかな弟の顔に浮かんでいるのは小さな笑み。血色の薄い頬を、それでも柔く緩めている。
「ど、どうした」
「ううん。兄上は、大助さんが大好きなんだなぁと思って」
 ほんの隙間風すら、脆い弟の体を蝕むことのないようにと至るところを目張りされたこの座敷には、惜しみなく火鉢が据えられていた。折れた槍を焚火の料にせざるを得ない城の有様であるのに、ここは、この座敷だけにはその気配がまったく滲んでいない。惜しみなく火鉢は焚かれ、鎧直垂を纏っている私だけがまるで異質なのだ。脆そうな肩にかかった藍色の打ち掛け、綿の詰め込まれた小袖、柔く笑む弟の姿。
 父の弱さでありまた、私の弱さなのかもしれない。微笑む彼だけ、囲ってしまおうそうしてこの座敷はとざされた。
「いや!そんな!そんなことはない、ぞ!」
「だって兄上、僕のところへくるたびに大助さんの話ばっかりだもの。おかけで僕、会ったことも無い大助さんのことに凄く詳しくなっちゃった」
「式部殿の話も、伊木殿の話もしたではないか」
「お金の話だけは細かく覚えてる式部さんと、口うるさいお母さんみたいな伊木さん、だっけ」
 たしかに、そんな風に話したかもしれない。
うろたえる私を前にして一しきり吐息じみた笑みを零した弥十郎の白面が、逸らされた。私から、ふいに。横顔だけが向けられその目がどこを臨んでいるのかなど、私に知る術は無いいや、そもそも何も見ることなど叶わないはずなのだ。弥十郎の見据えている先にあるのはとざされた障子で、微かな隙間にいたるまで目張りをされている。
 あるのは、戦の有様をとざす障子、それだけで。
「兄上、障子をあけても良いかな」
 私は首を横へ振る。
「駄目だ。お前の体に障ったらいけない」
 弟は頬へ睫毛の影を落とす。
「……そう」
「そうだな、次は真田殿が熊鍋を作った時の話をしようか」
 弟は、また青みの差す頬を緩めた微かに首を、引いた。




 これがお前の幸いであると言い聞かせて。
 箱庭は、壊れてしまったけれど。






 白い小袖一枚だけを与えられた彼は、青白いうなじを晒した。



 兄上、僕は幸せだよ。

―――― 元和元年十二月人質大野弥十郎治安、死を賜う。

 僕は幸せだよ。
 やっと隣に立てたね。








 大野兄弟への妄想をこれでもかと詰め込んでしまいました(…)
冬の陣が終わり、嫡男(治徳)を人質として求められた治長が、次男(弥十郎)を差しだしたのは、実は治徳だと偽って差しだしたからだ!という妄想を抱いています← なので、二人とも十七歳の双子妄想です(お前)
 大野兄弟のことも、ちゃんと書きたいなぁと。あと勿論、葛葉のことも。葛葉は千の侍女になったと思われるので、千関係でも色々と書けそうです。

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