何か吐いてみる//
乙式、主に暇人干身がだらだらと萌えに任せて吐き出す場所です。創作戦国について主に吐き出しています。同人、腐要素、注意報常時発令中です。
--/--/-- (--) スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 |


2008/06/09 (Mon) 残された子



昨日からずっと、夏影をエンドレスリピート中です。何これ泣ける…超泣ける…!多分、これ聞きながらついうっかり葛葉ちゃん妄想しちゃったからなんだよなぁ…。歌詞というよりも、メロディが何だか葛葉ちゃんっぽい(どんなだ) てことで、絶対にあり得ないと思いますが、こういうことあったら良いよね妄想で、次世代大野兄妹+大助(微妙に治徳→大助風味)でSSSを。ちなみに、私は治徳×大助を諦めていません←



 夏が、やってくる。
暮れの訪れが少しずつ遅くなって、草が木々が段々織重ねる緑を深く静かにしていって確かな力を、静けさの中に満たしていく夏の入り口。まだ、夏には届かないけれど、それでもすぐそこまで生きる人々を迎えにきている。そんな、季節。
 薄ら青く血管の浮き出た生白い手でそっと、頼りない胸を押さえた。
「………けほ……こほ……」
 掠れた咳が水気を重たく孕む空気へ落ちる度、押さえた胸が軋みをあげるけれど私はまだ大丈夫。大丈夫大丈夫、繰り返し繰り返し願うの。ただ一人きり夏の息づきを愛でながら深い草の森へ佇みながら空を、瞳孔へ抱きながら。
 


「葛葉!」



 ざわざわさわさわ深く力を湛えた木々の葉を、波立て過ぎゆく風を髪へとい孕ませ幼い少女は振り返る。それは、失う前の私、大きな多くの人の腕に抱かれていたころの私。そんな私の名前を呼んで、目一杯の力を込めて駆けてくる少年を幼い私は知っていた。知っていたからこそ、そう、振り返りそうしてそれから小さくとも唇の端を、つりあげたの両目を細めたの。
 小さな私の肩にと乗せられる大きな手、ああ、そう、ここにはこの人もいてくれた。
「人の妹を気安く呼ぶのは如何なものか、大助殿」
「何や、弥三郎は細かい!葛葉かて、わいに呼ばれて嫌や言うたこと一度も無いやろ!」
「……あああ、まったく貴殿の無遠慮さには頭が下がる。良いか、それ以上葛葉に近づくことは罷りならない。何か用があるのなら、俺を通してからにしろ」
 ふん、なんて鼻を鳴らす兄上に肩を抱かれて私は、じーっと大助を眺めていたんだ。これから起こることを私は知っている、ほら、大助が本気で困ったように首を傾けたらそっと息を吸い込むの。空気を震わせる、声があるの。
「弥三郎、そないにわいとしゃべくりたいんやったら、普通にしゃべればええんやで!」
 ざわざわさわさわ風の吹く度、夏が近づく気がした。
「だ…ば……違うぞ!勘違いを致すな!俺は別にそんなつもりでいったわけではない!故に妙な勘ぐりも不要である!これ以上突っ込んだことを聞いてみろ!生涯口を聞かんぞ!……あああ、違うこれは嘘だ冗談だ、だからそんな顔をするな!笑え!」
 夏がじんわり滲み始めた青い青い青い空の麓に立つ兄上に大助、二人の顔をじっと映す私はどうしたんだっけ。そう、知っているよ分かっているよ、私は繋いだんだ。手を、大助の指先をそっと握って兄上の指先をそっと握ってぴたり止まった、響いていた声。
 少しの静けさ鼓膜をなぞるものは、さやかな木々のざわめきそれだけ。また波が一つ、通り抜けた頃兄上の声がした。
「……あー……それで?何用で来たんだ、貴殿は」
 大助の声がした。
「せや!あんな、あんな、……」
 山里曲輪に面白いとこ見つけた貴殿はまた入り込んでいたのか、そんな繰り返しがすごく、心地よかったことを覚えている。ずっと、握り続けた手を覚えている。
 今でも、まだ。




 双眸に抱く青い空。
 ざわざわさわさわ夏を、そっとまた、連れながらさやかに木々は鳴る。












葛葉ちゃん、十七歳で亡くなったと記述されているものがあるらしくて、もしもそうなら残念でならないというか……この子には本当、幸せになってもらいたい。
スポンサーサイト

SSS | trackback(0) | comment(0) |


<<頭が膿んだ以下略 | TOP | 分かったこととかお知らせとか>>

comment











管理人のみ閲覧OK


trackback

trackback_url
http://nanhaki.blog71.fc2.com/tb.php/63-300ab7db

| TOP |

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。