何か吐いてみる//
乙式、主に暇人干身がだらだらと萌えに任せて吐き出す場所です。創作戦国について主に吐き出しています。同人、腐要素、注意報常時発令中です。
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2010/08/15 (Sun) まだこの手は繋がっている


 何となく書きたくなったので、追記に千+茶々なSSS崩れを放ってみました。千が十二、三歳くらいの年頃というイメージです。例によってうちの千は茶々コンです(…)









「千、もう良いぞ」
「ううん、あたしがまだやりたいの!」
「疲れるであろう?」
「全然!」
 こんなの、なんてことない。
布団へ横になる母上様へひたすら団扇で風を送る。母上様付きの侍女や、あたしの侍女が代わると何度申し出ようと断り続けてきた。母上様を煽いであげるのはあたしだ。あたしがやるんだもん。
 庭の木に張り付く蝉の絶叫すら母上様の細い体を痛めつけてしまいそうで、広縁に面した庭を睨みつける。くそう、さっきからじーじーじーじー母上様に何かあったらどうするつもりだ黙っててよ。そんなあたしを眺め母上様が微笑んだから少しだけ頬が赤くなってしまう。ちょっと恥ずかしい、かも。
「あの、母上様」
「何ぞ?」
 小首を傾げた母上様の緩やかに波打つ髪がはらり、零れた細い肩の上。首も、肩も、何もかもが細い母上様。細い上に、青白いんだ。日に日に痩せ細っていかれてしまってこのまま放っておいたら影のように消えてしまいそうで、夏の日差しに掻き消されてしまいそうで、怖い。すごく。
 止めかけてしまった煽ぐ手を叱咤し、唾を飲み込む。
「御飯……ちゃんと、食べてね」
 微笑むまま口をひらいてくれないから、まだ、まだ言わなくちゃ。
「御飯食べたら、すぐに元気になるよ!あたしと秀頼で、母上様の好きなもの出してくれるようお願いしてみるから!だから、だからね母上様」
 いつからだろう、もしかしたら最初からだったのかもしれない。豊臣家にやってきたばかりのあたしは幼すぎて、気付けなかっただけなのかもしれない。食事が喉を通らない食欲が無い今は食べとうないそうやって母上様は少しずつ少しずつ、細くなっていった。眩暈を起こすのも、胸の苦しさに喘ぐのも一度や二度じゃなくって今日みたいに陽射しにあてられ倒れてしまうことすらあってあたしは、泣きそうになってしまう。
「御飯、一杯一杯食べて、元気になってね」
 母上様のために何も出来ないことが、もどかしい。
母上様がどうして苦しんでいるのか悩んでいるのか悲しんでいるのかあたしはまだまだ子供だけど、それでも分かってるつもりだ。それなのに、何も、出来ない。御飯食べて元気になって、こんなことしか言えないんだ。
 母上様は、優しい。
「千」
 こんなあたしの髪を撫でてくれる。痩せ細った手で、柔くそっと、慈しんでくれる。
「そうよの、次は、満腹で動けなくなるまで食そう。そうなったらそなたに閨まで運んでもらおうかの」
「うん!任せて!」
「これ、まことにそのようなことをしたら、妾に潰されてしまうぞ」
「だーいじょうぶ!」
 


 優し過ぎて、悲しい。













 関ヶ原後の茶々が食事をまともにとれなくなっていたことが、当時茶々を診断した医者の残した史料や、秀頼の祈祷依頼の内容から知ることが出来ます。よく小説やドラマでは、世の趨勢を読めず豊臣家の栄光の上にあぐらをかいていた女性として描かれることの多い茶々ですが、史料を読み解いていくと、必ずしもそうではない繊細な女性としての姿が見えてくるのではないでしょうか。斜陽となっていく豊臣家の有様に苦悩する姿が偲ばれます。



 
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