何か吐いてみる//
乙式、主に暇人干身がだらだらと萌えに任せて吐き出す場所です。創作戦国について主に吐き出しています。同人、腐要素、注意報常時発令中です。
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2011/03/29 (Tue) 鴉が鳴いた


 何となく、追記に幼少期秀吉でSSSを放ってみました。村を追い出された後の話です。史実に無い創作の人物が登場しているので、ご注意下さい。




 その男は文字を知っていた。
 その男は地面に「日吉」と書いた。

 突き刺さる陽射しに白々眩しく照らされた地面へ、棒っきれで「日吉」と。
「なんと読むんでや?」
「ひえ、だ」
「そりゃ俺の名前だがや」
 髭に埋もれた分厚い唇をふてぶてしくつり上げ、男は笑う。赤黒く日に焼けた、垢に塗れた、黒く染めただけの衣を法衣と法螺吹き纏っているようなその男のことを、ヒエと名付けられた少年は嫌いではなかった。露阿弥と、かつてその男は名乗った。
「そうだ、お前の名前だ」
 陽射しから逃れようと転がりこんだ街道沿いの木陰に蹲り、一寸先にある「日吉」の字にヒエは首をひねる。これが自分の名前とは到底思えぬいくら響きが一緒とは言え自分はヒエであり、日吉ではない。少しの不服をこめ擦り切れた墨染の袖を、骨が皮をまとっただけの手でつまむ。
「俺の名前は、お母が食いもんに困んねぇよう付けてくれよった名前でや。こんな、わけのわからん名前やにゃー」
「わけがわからんったぁ、お前はモノのわからん童だなぁ。こりゃぁな、ありがてぇ名前なんだぞ? 神さんの名前だ」
 鶏じみた鋭い骨の浮かぶ首を、更にヒエはひねる。乱雑に括られただけの赤茶がかった蓬髪が、木漏れ日に透け赤く燃える。
「日吉は、神様なんか」
「日吉大明神たぁ結構な神さんよ。お前さんもそれにあやかれ、貧相な顔すんじゃねぇ」
「貧相な顔はもともとでや!」
「おぉそうだった、悪い悪い」
 けたけた、悪びれず笑い立てる男のことが、日吉と名付けられた少年は嫌いではなかった。むしろ、好きであった。放っていた商売道具の鉦を拾い上げ、露阿弥は軽やかに打ち鳴らす。甲高い鉦の音に合わせ、朗々青の濃い空へ響く深みのある南無阿弥陀仏。
「ほれ、休みは終いだ!」
「分かってるでや!」
 木陰から陽射しの下に踊り出で、垢に塗れた男と骨と皮だけの童は南無阿弥陀仏と唱えあげる。骨にまで響くような声で南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏詠う男を、投げて寄こされた鉦を打ち鳴らしながら見上げる日吉は、好きであった。この声が、中々に。好きであった。


 南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏。
 唱える声は、露阿弥のものではない。ひたすらに傍らの老女が唱えるしわがれた南無阿弥陀仏を、立ち竦む日吉は聞いていた。生ぬるい風が吹き流れ、眼前に転がる襤褸切れがはためく。幾十もの襤褸切れだ。継ぎはぎだらけの小袖があれば、ほつれた伊賀袴も風に揺れる。そうして、墨染の、擦り切れた、ある男が法衣だと法螺吹いていたそれも襤褸に混ざり転がっている。首の無い亡骸が、その襤褸を纏っている。
 漂白の者として、一時村の片隅に身を置かせて貰えないかと、己を山中の堂に待たせ頼みに向かった男が、どうしてこうなっているのか日吉は知らない。籠もる暑さに、日吉の顎から汗が一滴伝い落ちる。

 どこぞで鴉がカァと鳴いた。








妄想失礼しました。
秀吉の入寺=非人として畜生坊主と呼ばれる人達に引き取られたんじゃ? 妄想大爆発ですみません。
秀吉の人格にヒビが入るきっかけとして、日々、四六時中、こんな妄想をしてますすみません。秀吉の人格が粉々に壊れる時も妄想していてすみません。何か色々、すみません。
人格がダーティな方向にアレな殿下が好きです。
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