何か吐いてみる//
乙式、主に暇人干身がだらだらと萌えに任せて吐き出す場所です。創作戦国について主に吐き出しています。同人、腐要素、注意報常時発令中です。
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2011/05/02 (Mon) 江月斎承亀


京都旅行で六角ツアーをした勢いで、追記に定頼様がもそもそやってるだけのSSSをぶちこんでみます。





 剃刀の刃で、柔く指の腹を切る。
 つぷり、丸く肥え太りついには己の形を保つことすらままならず、手首を伝い落ちるそれは、点々、私の足へと落ちた。絶え間なく、絶え間なく、赤く、落ちる。
 頭蓋の中を巡るのは、つい先だって友の吐き出した言葉だ。
(例えば、俺達が血と言う頸木から逃れ出たとして、果たしてそれは幸いと言えるのか?)
「わからない」
(俺達は、血だ。血が俺達を作り出している。血が、名を背負う資格と義務を生み出す。俺達がもしもその頸木から逃れたらどうなる)
「わからない」
(肉と骨と皮だけの何かにしか、きっとなれはしない)
「わからないよ、次郎」
 悲しいだけじゃないか血をよすがに生き続ける存在など。
 いっそ血の頸木から逃れ出てしまえたなら、貴方の父は実の兄を追い落とそうなどど考えなかったのではありませんか。私の祖父は、血の繋がった従兄弟達と争うことなどなかったのではありませんか。曽祖父は、己の兄を討たずとも済んだのではりませんか。曽祖父の兄は、実の父と兄を討たずとも良かったのではありませんか。
 張り巡らされた血の流れに生きる道とは余りにも、余りにも、
「悲しいではありませんか」
 手から、剃刀が零れ落ちる。甲高い悲鳴をたて板敷きへ落ちたそれを拾い上げることなく、私は壁へくり抜かれた窓から外を望む。傾きかけた夕陽が、眼球を貫いた。淡紅から金色を経て深い藍へ………移り変わる最中にある空はこんなにも眩いと言うのに。
「澱んだ血の、なんと」
 醜いことか。
 指先を眼前へかざせば、未だ止まらぬ血が伝い落ちる。この血が流れている限り、仏法に携わる身であろうと目まぐるしく巡る浮世は這い寄ってくるのだろう。零した吐息は、笑みに似ていた。
「そもそも、頸木から逃れる術などあるのでしょうか」
 あるのだとしたら目の前へ差し出して欲しい示して欲しいお前には、違う道があるのだと告げて欲しい。


 知っている。
 そんなもの、ありはしないのだと。








相国寺時代の定頼様で失礼しました。
次郎=畠山義総(後の能登畠山家当主)です。
時綱が、満綱(父)と持綱(兄)を自害へ追いやったことから始まる六角家の血で血を洗う有様は、絶句ものです。特に、政堯・政信・政頼の従兄弟三人の争いが泥沼過ぎます。三人の父親の境遇が境遇なだけに、やんぬるかな、と言った気もしますが。
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